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放課後になり、学校前のバス停に肩を並べて待っている。
合宿まで四日を切っている事に心が弾む。
ワクワクする。
花火を買いたいだとか、話していると小百合がツッコミを入れたりする。
これが、友人との会話なのだと幸せを噛み締める。
ふと、小百合の耳で揺れるピアスに視線が行く。
「ピアス、してるんだね……」
「ああ、これ?」
髪を上げて見せる。
黒い真珠の様な物に、線が描かれている。
何故か、魔除けのアイテムの様にも見えた。
「これは、お守りみたいな物だよ」
淡々と話す。
この話し方は嫌いじゃないと思いつつも真珠から視線を逸らせなかった。
バスが来て、ショッピングモールへ行き、雑談をしながら、買い物をする。
お揃いの帽子とリュックを買って、合宿では何をしたいかを話した。
時間は、あっという間に過ぎて、暗くなりだした時にバス停へ向かう。
「もしも、エミーナの世界に行けたらどうする?」
小百合は、絵美に聞いた。
絵美は、考え事を初めて、直ぐに答える。
「エミーナと旅をしたいなって思う」
笑顔で答えて、小百合の表情を見る。
自然に笑顔から真顔になり、小百合を見つめた。
意思の強い、決意を固めた様な表情をしていた。
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