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その足跡は癖があった。
もう少しで沈もうとする太陽を目指して、西に進みだしていた。
少年は道を離れると、西の方角に這い出した。けもののように。
西へ…相手より先回りだ。
すっかり暗くなりかけた頃に小道を横切るような林にたどりついた。
仕掛けるならここだ!
道の土には、足跡はついていない。
少年は周りを見回すと仕掛ける場所を探した。
そこから、西にしばらく進むと、道が大木にさえぎられ、迂回するように折れ曲がるところを見つけた。
それを見て
少年は一人うなずいた。
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