81人が本棚に入れています
本棚に追加
少年は動いていた。
森の小道から平行にやや距離をとったところを進んでいた。
しかも林や小枝の固まりに突っ込むように腹這いで進んでいた。
少年は確信を得たようだ。
顔や服は土やホコリでいっぱいになっていた。
日が来れかけようかとする長い時間をかけてゆっくり進んでいた。
ふいに少年は横目に見ていた森の小道の一点を見つめだした。
少年は見つけた。
森の小道にそれを探していた。
相手である敵の足跡を。
時間をかけて周りをうかがった。
人の気配がない事を確認すると、小道の足跡の前にかがんだ。
最初のコメントを投稿しよう!