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「ねぇ、ネイノーさんっ」
なんにも知らないコイツは
いつもの笑顔で話し掛けてくる。
「…それでね?クラスの奈美ちゃんが
俺に向かってね?」
誰だ奈美って。知るかそんな奴
第一俺居るってのに他の奴の
話なんかしてんじゃねえよ、
このモジャモジャが。
俺は"奈美ちゃん"の登場のせいで
聞く気が失せた。完全に。
こうなった床ほじほじパクっ作戦だ。
「あ~、もう違うところに興味が…
あ、食べた…、」
俺の行動に優しい笑みをもらす
モジャモジャの顔を確認して
いつもの姿勢に戻る。
"お前馬鹿じゃネイノー"
いつの間にやら口癖に
なってしまっているその
決まり文句は、
仁にも俺にも定着していた。
俺、いつまでこんなこと
してんだろな~
なんて思いがらも便利な立ち位置だ
なんて考えている俺は
この上なくずるい奴なのかも
しれない。だが…。
このキャラ、"ネイノーさん"で
居なければ俺はこいつの
傍には居られないのだから。
「……仁…。」
後ろからソッと抱き寄せる。
ビクッとするその仕草さえもが
かわいく思えてしまう俺は
重症なのだろうか。
「ネ、ネイノーさんっ…?」
「なんで俺と居るときに他の
奴の話なんてするんだよ。
お前は今もこれからも俺だけを
見て、俺だけに興味を持てばいいんだ。」
いつもと違う俺の様子に
アワアワする仁はこの上なく可愛い、
「ネイノーさん。
ま、また…憑依…だよねっ…?」
くそっ。やっぱり駄目じゃないか。
いつになったら"俺"に気付くんだ。
「…お前馬鹿じゃネイノー。」
ーーーーーーENDーーーーーー
ネイノーさん実は演技ってゆう。
私は素であれがいいなーなんて。
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