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運転手は宵くん。
俺は免許ないから助手席。
免許取ろうとしたら、宵くんに全力で止められた。
俺の送迎は自分の仕事だと思ってるらしく、俺の仕事を取らないでくれと半泣きになりながらガクガク揺さぶられて気持ち悪くなって取らないっていっちまった。
まあ、楽さしてもらえるから…ありがたいけど。
宵くんが運転して、子供達が嬉しそうにはしゃいでる。
いいな
だんらん、だな…
「…ん、さ…しく!聖くん!」
んぅ
「ついたよ、聖くん」
よく見ると、子供達がいない。
「柾紀達は?」
「もう、走りまわってるよ」
公園の中を見ると子供達が仲良く遊んでいた。
んふふ、可愛いなぁ
「俺らもお花見しよう」
「うん」
宵くんと桜の木の下までくる。
ふわりと抜ける風が桜吹雪をより豪華にさせる。
「綺麗だね」
「そうだね」
言葉には表せない綺麗さが、そこにはあった。
「ねぇ、聖くん」
「何?」
「そこ座って」
何?
訳も分からず座ると、宵くんが俺の膝に頭をのっけた。
所謂膝枕ってやつだ。
「運転つかれた?」
「全然大丈夫」
宵くんの丸いデコを撫でてやる。
宵くんは気持ち良さそうにしながら、なぜかニヤニヤしてる。
「…何?」
「…あのさ、子供達。本当に可愛いよね」
「うん、そうだね」
「柾紀も、数成もお兄ちゃんになってきたよね」
「うん、そうだね」
「閏もちゃんと育ってきてさ…」
「うん、そうだね」
「そろそろ閏にも弟を作ってやろうよ」
「うん、そうだね……え!?」
「いやぁ、良かった!早速今日から妊活だね!」
「え、ちょ、しよ…宵くん」
ワタワタしてると、宵くんが起き上がってきてチュッとキスしてきた。
もう、声も出ない
柾紀達が走ってきた。
「父ちゃん母ちゃんお腹減った!」
宵くんは膝からムクリと起き上がり、持ってきたお弁当を広げてくれた。
どうしよう…
「し、痺れた…」
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