君を忘れられない

いつもの日々

大好きな並木道も、今日はダッシュで通り過ぎる。8：25分。校門前到着。
「はぁはぁ、あと5分」
タッタッタッ。
階段を駆け上がる。
ガラララッ。
「あっ柚子!　おはよー」
「はぁはぁ、おはよ」
「今日は随分のんびりしてたみたいだね(笑)」
「いつもと同じくらいだと思ってた」
自分の席に座る。
「今日の空、雲一つなくてすっごくキレイだったから、見とれちゃってた」
この子は皆月莉乃。
私、浅倉柚子の親友。
莉乃はすごく可愛くて女の子らしくて、みんなからモテモテ。
私とは大違い。
「今日は写真撮ってこなかったの?」
「ううん、ちゃんと撮ってきた。今日は今まで見た中でベスト3に入るくらいキレイだったから」
「見せて」
「いいよ」
ゴソゴソ。
バッグの中をあさり、デジカメを取り出す。
今朝撮った写真を莉乃に見せる。
「はい」