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●六月十五日
神は死んだ。いや、神に見捨てられた。
まず、被害者視点から事件のはじまりを書き、そのご、探偵役の視点にチェンジして事件を解決する。こういう流れのミステリ小説を書こうと計画していたが、ある誤算が生じた。
作中人物が勝手に動きだしたのだ。
「マンマミーア!」
こんなことがあっていいのだろうか。私の手が、私の意思とは関係なく、キーボードを叩きはじめたのである。このままでは、だれも死なない小説になってしまう。
まさか、これが噂に聞く「作中人物が勝手に動きだす」というやつか。
ちきしょう。クソ生意気な野郎だ。創造主である私に反逆を試みるとは。しかも締め切り当日に。許さん。
こうなったら強硬手段をとるしか方法はない。
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