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7
「オーマイガッ!」
驚愕のあまり声がでた。
立ちあがったのもつかのま、強大な重力が全身にのしかかり、俺は強引に席に戻されてしまった。丈夫なロープで締めつけられたような感覚が襲い、身動きがとれない。
バカな。ついさっき、俺はスナックを出たはず。なのに、どうして立ちあがった場面に戻っているのだ?
作者か! 作者のやつの仕業か。クソ、やはり作中人物は物語を動かせないのか! しょせん、作中人物は作者に踊らされるしかないのか。
突如、目の前にコーヒーカップがなんの前触れもなく出現した。置かれたのではなく、出現したのだ。中で、黒い液体が渦巻いていた。
飲んではならない。直感的にわかった。これには、毒が入っている。断言できる。飲めば、待っているのは、死。けれども、俺の手は俺の意思とは関係なくゆっくりと、確実にコーヒーカップをとろうとしている。
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