被害者

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   1  先ほどから周りの景色が喫茶店になったり、学校の教室になったりと、めまぐるしく変化している。  パソコン画面を睨みつけ、文字を入力しては削除し、入力しては削除し……を繰り返している作者の姿を想像するのは、俺にとってたやすいことだった。  そう、作者のやつは今、迷っている。しかもアホみたいに。この俺という作中人物をどうにかこうにかしてなんとか生みだしたものの、そこから物語をまるで進めることができず、七転八倒しているのだ。
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