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●六月十一日
参った。『お題つき短編小説』の執筆をはじめてから、もう一ヶ月近く経つが、筆が寸毫たりとも進まぬ。もう一度言う。参った。
とりあえずキャラクターをどうにか作りはしたが、そこからどう物語を進めてよいものやらさっぱりわからん。
まさか『最期』などという、いたってシンプルなお題でここまで苦しめられるとは、正直なところ予想もしなかった。
最期、すなわち、命の終わるとき、だ。ということは、だれかが死ぬ物語を書けばいいのである。
○○は死んだ。やろうと思えば、この一文で物語を完結することだって可能なのだ。しかし読者は納得するだろうか。むろん、するまい。多忙の中、暇を見つけて読んだものが、こんなものなら激昂するだろう。それに、私自身もこんな一文で完結というのは、もの足りぬ。
とにかく、どうにかせねば。
締め切りまで日がない。
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