被害者
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俺はかぶりを振った。 作中人物にだって意思は存在する。この俺が、まさに証拠だ。俺だけが例外ということは、ないはずである。 なぜなら、作家があとがきなどで、口をそろえたように頻繁に言うではないか。 「キャラクターが勝手に動いたんです」 俺は決心した。運命に抗うことを。 勢いよく立ちあがり、俺は反逆の狼煙を上げた。 俺は、ドアベルを激しく鳴らし、スナックから逃げだした。
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