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赤ずきん
「おはようお母さん。
今日はおばあちゃんのところにいく日だったね。
分かってるから大丈夫だよ。
いってきます」
赤ずきん
「そうだ、綺麗なお花をつんでいこう。
きっと喜んでくれるはず」
狼
(ああ、腹が減ったな。
いい獲物はいないだろうか?
お、あんなところに女の子がいる)
赤ずきん
「赤に白に黄色いお花、たくさんたくさんつんでいこう」
狼
(バスケットの中はパンと水か。
そうだ、騙して中身をいただいてしまおう)
赤ずきん
「晴れてよかった。今日は絶好のお出かけ日和ね」
狼
「やあやあこんにちは。赤いずきんの可愛らしいお嬢さん」
赤ずきん
「こんにちは。黒い毛並みの狼さん」
狼
「1人で何をしているのかな?」
赤ずきん
「きれいなお花をつんでいるの」
狼
「誰かにプレゼントするのかな?」
赤ずきん
「えぇ、私の大切なおばあちゃんに」
狼
「そうかい。
君は優しい子だね」
赤ずきん
「ありがとう。
狼さんは何をしてるの?」
狼
「私は夢の果実を探しているんだ」
赤ずきん
「ゆめのかじつ?」
狼
「そうさ。
それを食べれば何でも願いが叶う魔法の果実さ」
赤ずきん
「……すごい!」
狼
「すごいだろう!
君も一緒に探そうよ」
赤ずきん
「そうね。1人で探すより2人で探した方がきっと見つかるわ」
狼
(単純な子だな。
さっさと騙していただいてしまおう)
赤ずきん
「ねえ、狼さん」
狼
「なんだい?」
赤ずきん
「お腹がすいているんでしょう?
探しに行く前にお昼ご飯を食べようよ」
狼
「お腹はすいていないよ。
どうしてそんなことをいうんだい?」
赤ずきん
「嘘ばっかり。
さっきからこのバスケットの中ばかり気にしてるよ」
狼
「……ばれてしまったならしょうがない。
お嬢さん、よければ私を昼のお供にしてくださいな」
赤ずきん
「もちろんよ。
ありがとう狼さん。私も誰かと一緒にご飯が食べたかったの」
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