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「今日も暑いねぇ」 優花は手をうちわにして扇ぎながら、美咲の隣に並んで歩く。 優花の色素の薄い髪が、さらさらと風に流れた。 二人には、肩一つ分の身長差がある。 優花は身長が低く、華奢な方だ。 それだけで男子生徒に人気がある。 ほとんどメイクなどしていないのに、だ。 おおらかな性格に加え、どこか小動物的で、男子受けする顔というタイプなのかも知れない。 だが、本人は色恋沙汰には消極的で、あまり男子生徒と話している所を見た事がなかった。 決して暗いというわけではない。 仲間うちではむしろ明るい方であるが、男子生徒とは必要最低限の会話以外はあまり会話をしようとはしないのだ。
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