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「そりゃそうだけどさぁ……」
莉沙は溜息交じりに返答した。
莉沙は目鼻立ちがはっきりとして整っており、男子生徒に人気がある、華のある少女だ。
本人もそれを自覚しているせいか、あるいは共働きの両親との時間が少ないままに思春期を迎えたせいなのか、我が儘を言う事が多く、自分の思い通りに行かないとすぐに機嫌を損ねる所があった。
今日もその我が儘で友達を巻き込んで来たばかりだ。
だが、常に輪の中心にいる莉沙に逆らってまでそれを止めようとする者は少ない。
ほとんどの場合は、しばらくすれば莉沙が興味を失い、普段と変わらぬ生活を送れるからである。
この電話の相手も、そんな考えを持つ人間の一人である事は言うまでもない。
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