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あたしは高校に入って恋をした。
恋をしたきっかけは入学してしばらく経った時のこと。
あたしたちは学校行事である自然体験で山登りをしていた。
山登りの前日、幼なじみで親友の琴羽と喧嘩してしまった。
気まずいまま当日に向かえ、登っている途中に後ろを歩いていた琴羽がいない事に気がついて元の道を戻った。
…少し戻ったところで琴羽はいつもより息を荒くしながら座り込んでいた。
柚「…琴羽」
琴「あ…柚瑠…」
柚「大丈夫?…って大丈夫じゃないか。熱あるでしょ」
息荒くなってるし、顔も赤くなってるから見ればわかるんだよね…。
琴「……うん」
柚「無茶しちゃうから上がったんだよ」
琴「ごめん。ちゃんと会って柚瑠に謝りたかったんだ…」
それで熱あるのに無茶して山登りするなんて…。
あたしは琴羽の前に背を向けてしゃがみ込んだ。
柚「乗って」
琴「えっ…?」
柚「えっ…?じゃないの、乗るの!!」
琴「ダメだよ!!私を背負って登るなんて…」
柚「大丈夫だから。それに誰か呼びに行くとしても、今の琴羽を1人で置いていくわけにはいかないから」
けっこう熱上がってそうだから歩かすわけにも行かないし、だからって放っておけるわけないし。
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