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柚「だから乗って」
琴「………じゃあお言葉に甘えて…」
それからあたしは頂上に向かって必死に登った。
柚「………っ」
琴「ごめんね、柚瑠…」
柚「大丈夫だよ!体力には自信あるしさ」
そうは言いつつも、正直なところ大丈夫じゃなかった…
さっき少し大きめの石を踏んづけた時に足を捻って進むたびに痛んだから。
琴「でも…柚瑠辛そう」
柚「大丈夫だって!心配しないで」
琴「…柚瑠」
また少し進んで本当に限界を感じかけた時、不意に名前を呼ぶ声が聞こえた。
??「斎藤、奥村!!」
そう、この人があたしが恋した人…
あたしたちを呼んだ同じクラスの宮野 歩。
柚「宮野…」
歩「もうみんな揃ってるのにお前ら遅いから様子見に来てみたら何だよ」
柚「琴羽が熱出したみたいで座り込んでて放っておけないから背負って登ってた…」
そう言うと、宮野は驚いた顔をしたと思ったら大きなため息を吐いた。
歩「女のくせに無茶しすぎ…。斎藤、奥村降ろせ」
柚「え…?」
歩「ここからは俺が背負ってく」
柚「あ、うん…」
あたしは素直に従って琴羽を降ろした。
そうしたら宮野が楽々と琴羽を背負ってあたしの方を見た。
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