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「そんなこと、今まで言ってなかったじゃん。」
下を向いたまま成海くんは言った。
「だって、聞かれなかったし。聞かれてないのに言うの、変でしょ?」
「…そうだね。…行きなよ。彼氏んとこ。じゃあね。」
何なの?この雰囲気。
別れ話かなんかみたい。
成海くんはそのまま立ち上がって、私と目を合わせないまま帰っていった。
きゅっと胸が痛んだのには気づかなかったことにして、時計を見た。
「あ、いけない。もう6時。早く行かなきゃ宏樹帰って来ちゃう。」
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