はじまり

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「きっと…また会える。だから、待っていて」 そんな言葉をどこかで聞いた気がする。 こちらに来て、もう3年が過ぎていた。 ここは魔法が存在する世界―。 私がいた世界とはまた別の場所。 でも、似ている場所。 どうやって来たのか、なんのために来たのか、まったく憶えていない。 いわゆる記憶喪失なのだ。 憶えているのは、私と一緒にいる尾が長い小鳥の形をした妖精。 小さな額には、赤い飾りがついている。 普段は人間の姿をしているが、必要があれば今のように妖精の姿をとる。 1年に1度は必ず自分の意思に関係なく、妖精の姿になってしまうとかなんとか…。 詳しくは知らないが、そういう魔法をかけられてしまったらしい。
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