*Scene1*

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「はぁ、ハァッ……は、」 「ハル、念のため薬。大丈夫か?」 「おん……すまん、」 だいぶ息が落ち着いてきたところで、篁から声をかけられ、抱きついていた体を離した。が、力が入らずベッドに倒れ込んだ。 篁がサイドテーブルの引き出しから薬を取り出し渡してくれる。 「水、持ってこようか? 喉、痛いだろ?」 「や、大丈夫。だいぶ落ち着いた」 「そうか。悠高、今日学校どうする?」 「行きたないけど……数学分からんくなったら嫌やし、行くわ。動けんわけやないから」 「具合悪くなったら言えよ?」 「おん」 篁の言葉にそう返し、そろそろと立ち上がる。少しふらついたがきちんと歩く事は出来た。 「あ、朝食の準備途中だったんだ!」 唐突に篁が声をあげた。確かに、今の篁の格好はいかにも料理中だった感じだ。 おそらく、騒ぎだした俺に料理を放り出して様子を見にきてくれたのだろう。 「卵焼き、だし巻きがええな」 「はいはい」 ぱたぱたと篁が先にリビングへ向かったのを確認して、ため息を吐いた。
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