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プロローグ
炎天下の日差し、町中蒸し暑くなっている。
ソレは、苛立ちと不快感ばかりで町中老若男女問わず半袖を着る季節。
汗は、流れて居ないものの、服の露出された部分。
詰まり、首から露骨までの部分がジリジリと痛み出す。
どうやら、日光湿疹が、出てるようだ。
殆ど過疎した商店街を、一人で歩いていた。
口には、タバコをくわえて、右手にエコバッグを下げて。
エコバッグには、同居人に頼まれた今夜の飯に使う具材が入っている。
卵…ケチャップ…大量の野菜…多分今日は、オムレツだろう…。
同居人秋良は、最近ふわふわオムレツを、覚えたと言っていた。
暫く、歩いてみると商店街が終わるあたりで、少年が此方をずっと見詰めていた。
漆黒の瞳と小さな身体に、真っ黒のマントを纏い、手には、白いクマの縫いぐるみを持っていた。
勿論、この炎天下の中そんな格好をしてるのだから、思わず凝視してしまった。
少年は、微笑みを浮かべた。
「迎えに来たんだ……。」
この少年は、俺を試すかのようにそう告げた。
少年は、微笑み続ける。
少年の持っている、白いクマの人形が大きな鎌に代わる。
ソレを少年は、両手で持ち、俺に振り下ろそうとした。
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