第一章 旅立ち
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この春から、中学生になる夢子は、元気に日焼けした顔から白い歯をみせて笑った。 「もう、おばあちゃん!大丈夫だから、泣かないでよ、また夏休み遊びにくるから…」 夢子は、この四国の宇和島で、小学校二年の時から五年間暮らした。 東京の家族と離れ、持病の重い喘息を治すため、父のこのふるさとで祖母のツタと暮らしていたのである。
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