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身体の成長とともに、夢子の喘息も回復し、ほぼ完治した。
中学生になるのをきっかけに、夢子は東京に帰ることになった。
東京で、小さいながらも建設業の会社を営んでいる両親が、夢子を迎えにきた。
電車に乗り込んでも、祖母のツタは、夢子の座った窓の外から、泣きながら夢子を覗き込んでいた。
五年間、大事に育ててくれたツタとの別れ。
夢子は、胸が締め付けられるのを感じながら、ゆっくり動きだす電車の中から、ツタが見えなくなるまで手を振り続けた。
…おばあちゃん…
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