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見れば、希は悲鳴を上げながら逃亡していた。
それを見たマナは逃げる希の背中を見ながら僕に包丁を突き立てるのを止める。
「…どうして逃げるんですか…?あれ…もしかして先輩、私が嫌いなの…?ウソだ…そんなわけない、きっと恥ずかしいんだ、アハハ、ホント私がいないとダメなんだから先輩はアハハハハ!!」
狂気の笑顔を浮かべながら、マナは希を追い掛けに行った。
残された僕は口を開いたまま放心する。
「……か…かおす……だ…。」
皆が心配だ。
アレレベルのカオスな状態になってるなんて信じたくない…!!
が、廊下を走っている間に擦れ違う他の生徒達も、明らかにオカシイことになっていた。
「米国万歳!!米国万歳!!米国万歳ナチスの科学は世界一ィィィ!!」
「はぁはぁ…さくらんぼたん可愛いよ、パイナップルたん萌え~…フルーツマジ天使だよぉ…」
「ペペロンチーノを!!床に!!ブチ撒けるヒャッホォォォ!!」
「決めた、俺…このハーモニカ一本で食って行くぜ!」
「僕のドモホルンリンクルコレクション見てかない?ねぇねぇ?」
…僕は泣いた。
生涯1番泣いた。
何が悲しいって……ツッコミが入れれないのが悲しい!!
ツッコミてぇ!!何時間掛かってもいいからツッコミてぇぇ!!
でもそれどころじゃないんだよぉぉ!!
僕は泣きながらそのカオス空間を走り抜けたのだった。
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