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……あれ?てゆーか…玲が読んでるそれって…。
僕は顔をあげ、玲が読んでいた本を凝視する。
「…何読んでるの…?」
「わぁお!数学の教材に決まってんでしょガチでー!サインコサインタンサインでしょガチでー!」
…おしいっ!!だがタンサインは違うっ!!
てゆーか…玲が、勉強してる…?
「私の趣味は勉強ですよー?勉強もせずに遊び歩いてるクロみたいなチャラ男さんと一緒にしないで下さいチョベリバー!」
「…………。」
…ギャル口調なクセにガリ勉ちゃんだとぉぉぉぉ!!?
カオスだ、これはカオスだ!!
僕は絶望する。
僕の知ってる玲が…いない…!
玲が…玲がこんな…!
「…玲。8×7は…?」
「64っしょ常識的にー!!」
勉強やめてしまえお前。
よかった、ベースはやっぱりいつもの玲だ。
隆寺…隆寺なら、こんな状況でも隆寺ならまともな気がする…!!
僕は隆寺を探して外へ出る。
するとやっぱり外を歩いていた人も皆カオスな状態になっていて、僕はなるべくその人たちを見ないように走る。
が、そうしているとふと見知った二人の背中を見付けてしまう。
「あれは…五十嵐さんと九条さん…ッ!!」
そう、普段からすでに半分カオスな二人組がそこにいた。
あの二人、ただでさえカオスなのに…この上さらにカオスになってしまっているのか…?
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