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いつもハイテンションでお喋りし続ける暴走マシンガンである五十嵐さんは、口数がいつもの二十分の一に減っている。
まるでいつもの九条さんのように。
でもいつもは寡黙で控えめにさりげなくボケる九条さんは、いつもの二十倍は喋ってる。
まるでいつもの五十嵐さんのように。
「…はっ…!?精神が入れ代わったのか…!?」
そうとしか考えられない!!
ここまで綺麗に二人の性格が入れ代わるなんて、それ以外に考えられないよ!!
「もしかしてこっちが五十嵐さんでこっちが九条さん!?」
僕は九条さんを指差して五十嵐さんだと言い、五十嵐さんを指差して九条さんだと言う。
すると二人は互いに顔を見合わせる。
「あはは!何言ってるの橘君~!あ、もしかしてSFごっこ!?いいね、丁度ヒマだったし私も乗るよ~!」
「…敵は木星人だー。あたし達の同盟星の火星を守るぞー。」
二人はエイエイオーと声を上げ、勝手に軍隊のような行進をしながら歩き出して行った。
……………。
…入れ代わりじゃなかったか。
いや、まぁ、どっちにしろカオスだけど。
…でも……あぁいう天真爛漫な九条さんって中々良いなぁ…。
それに口数が少ない五十嵐さんも中々……って何この状況堪能してんだ僕はぁぁぁッ!?
狂ったように頭を掻きむしっていると、突然校舎の方から爆音が鳴り響いた。
驚いて顔を上げると、校舎の上の階の窓から煙が上がっている。
…な…何…!?てゆーかあそこって確か…生徒会室じゃ…!?
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