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階段を駆け上がり生徒会室のドアを開くと、中から大量の煙が溢れてきた。
「げほっ…な…何これ…!?」
しばらくしてようやく換気が終わり、部屋の中の様子を見て……
そこにいた秋山君を見た僕は、ここに来たことを後悔した。
「…あぁ失敗した…くそ…どうしてボクはこんなにもダメなんだ…死にたい…」
秋山君は一人ブツブツと呟きながら、そこで変な薬品を掻き混ぜている。
まるでマッドサイエンティストの如く超怪しい光景である。
「あぁちくしょう…絶対に世界征服してやる…この薬が完成したら世界はボクの物だ…ふふ…ふふふ…。」
「……………。」
…僕は静かに部屋から立ち去ったのだった。
…秋山君がダークサイドに堕ちてしまった…。
普段は意味不明な程に自信に満ち溢れていたあの秋山君が…。
「……カオスだ……。」
女子寮の近くまで来て、ようやく僕は目的の人物を見付けた。
「り…隆寺ぃぃ~~…!!」
僕は幼なじみの名を呼びながら隆寺に駆け寄る。
すると隆寺はいつも通りの気ダルそうな表情を僕に向けた。
「どうした邦弘、そんな可愛く泣きつかれてもお兄さんホモじゃないから嬉しくないぞ。」
「うわぁぁ隆寺ぃぃ!!いつも通りだよぉぉ!!」
隆寺はいつもの口調でいつもの声で、それを聞いた僕はまたまた泣いた。
隆寺は…隆寺だけは普通だ…!!
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