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「・・・・」
赤々と燃え盛る薪の傍に血抜きを終え、食べ易い様にぶつ切りにして塩胡椒を振った蛇をそこらにあった丈夫そうな木の枝を錆び付いた包丁で加工し、串にして蛇をぶっ刺し火の回りの地面に串の尻を突き刺す。焼けるのを待つ間、取って置いたラズベリーを口に含みあらかじめ持ってきていたミネラルウォーターで胃に流し込む。
口の中がラズベリーの程よい酸味と甘みに満たされる。その甘みを消すためにまだ冷たいミネラルウォーターを飲みながら焼きあがった蛇を手に取り豪快に噛み付く。蛇の肉は噛み切り、咀嚼する度に独特の弾力があり、鶏肉のような味がする。
「美味い・・・」
思わず口にしたが、何度口にしても蛇肉は美味い。サバイバルで手に入る時はなるべく食いたい。体力の回復が早くなるからな・・・。これに魔法の調味料、カレー粉をつけて焼いたり煮たりしたらそれだけでもう堪らないな。戦場やサバイバルではご馳走だ。貴重なタンパク源だ。
黙々と残った蛇も食べ切り、骨はそこら辺に無造作に放り投げ残ったミネラルウォーターを飲み干し口をポケットに入れて置いたハンカチで拭いチロチロと残り火が未だ燃えている薪を地面を蹴飛ばし土を掛けて消火させてゆっくりと立ち上がる。
「満腹ではないが、腹は膨れた・・・」
腹が膨れ、空腹ではなくなった俺は、左右の腰にある革製、自作のホルスターに収まった二丁の黒光りするベレッタM92Fの安全装置を外し、スライドをスライドさせ、薬室に弾丸を送り込む。
ーーーカキン、チッキン・・・!
蛇の血が付着した錆付いた包丁は近くの草むらである程度拭って綺麗にさせた後、腰のベルトの後ろに突っ込んでおく。
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