汚物は消毒だ

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「狙いは正確で撃つのも早いが、まだ甘いな!!」 「クソッタレが!」 猛然と一直線に突き進んで来るサングラスをかけた男に怯まずに苦言を放ちながら弾数を気にせず撃つ、撃つ、撃つ!!! ダダダダダダと双方のベレッタのトリガーを高速で引き続けると弾丸がマシンガンの様に放たれ、連続的な反動が両手を押し上げ、急所ばかり狙った弾丸の雨は男に迫るが、男はやはり二刀のマチェットとナイフで器用に、嫌味ったらしいくらいに正確に弾き落とす。 「だから甘いと言っている!愚直なまでの急所狙いなど児戯にも等しい!!!」 「少しは怯めってんだ!!!このサムライ野郎!!!」 このまま『ただ』狙って撃っただけでは確実に当らない事はこの一瞬で理解。ならばと迫って刃を振り上げる男に対し、即座に単純に構えて撃つ動作から、近接格闘と連携させて撃つ事を前提としてたスタイル、『ガン=カタ』に切り替える。足を肩幅に広げ、腰を下げ左手のベレッタをガードを取りやすいように、肘を曲げた状態で相手に銃口を向け、胸の前に腕を置く。右手は拳を構えるように突出し横に寝かせた状態のベレッタを相手に突き付ける。 「見た事のない構えだな。しかしーーー付け焼き刃な接近戦などーーーー」 「ーーーー誰が接近戦の方が苦手だって言ったよ?」 キン!ギィン! この男はご高説を垂れながら、俺を殺すとばかりに素早くその両手に携えた凶刃を大きく踏み込んだ状態で下段から振るうがその言葉をわざわざ遮ってまでベレッタの銃身でボクシングのフックの要領で二対の凶刃を大きく弾き、男の両腕をがら空きにし、左の方へと受け流す。 体勢が崩れて大きくグラついている男を攻撃しないなどと言う甘い事はもちろんない。そのまま流れる様に左手のベレッタの銃口を奴の側頭部にゴリッと押し付け、皮肉気に言い放つ。 「慢心がテメェの敗因だ。接近戦が得意なガンスリンガーも世の中にはいるんだ。覚えとけよ」 ダダダァン!!!
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