12人が本棚に入れています
本棚に追加
「残念だが・・俺はお前の部下じゃない」
「ん・・・?なっ・・・!貴様は・・・?!」
「初めましてだな。悪いが名は名乗らないぞ。何せ貴様は・・・今死ぬのだからな」
ゆっくりと見せつける様に右腕に持ったベレッタを、こちらに振り向いて驚愕している太った男・・・この館の主の眉間へと照準を合わせる。今更、俺は殺しに躊躇しない。交渉も受けない。貴様は死んで当然だ。
「な、何が望みだ?金か!?女か!?お前の望むものはやる!!!」
「そうだな・・・まずはその抱いてる少女を解放しろ。まずはそれからだ」
「わ、分かった!おい、貴様離れろ!」
「きゃっ!?」
このクソデブは少女から自分のモノを抜くとそのまま乱暴にベットからドンと転げ落す。その様子を眉間に皺を作りながら引き金に掛けた指に更に力を込める。少女に俺の羽織っていたローブを脱ぎ去り彼女の体を隠すように片手で放る。
「それで隠せ」
「え?・・はい・・・」
「お前の要求を飲んだぞ!さぁ、私を解放しろ!」
「誰が、これだけの要求だと言った?おめでたい頭だな・・・」
呆れながら薄く笑みを張り付けた顔で奴を見やり、片手で持った右手のベレッタを奴へと今一度構え直す。
「っひぃ?!た、頼む!!助けーーー」
「ーーーそう言ってきた人達を貴様は今までどうして来た?」
俺が奴にそう言い放つと奴はサァーッと顔を青褪めさせてブルブルガタガタ震えながら俺の持つベレッタの銃口から逃れようとベットから降りようとしてもがくが、自らの体が重すぎて呆れるほどに遅い。
「死に行く貴様に言葉を贈ろう」
ーーーカチン
ベレッタのハンマーを引き、寝かせて撃つ準備は整った。もう後は引き金を引けば銃弾が奴を穿つ。
「嫌だぁぁぁ!!!!死にたくーーーー」
『ーーーー死んで償え』
ーーーガァァァン!!!!!!
翌日、独りの傭兵の活躍により街一番の勢力を誇ったとされる非道なマフィアの一家が一晩の内に壊滅したと人々の間では噂されていた・・・・
.
最初のコメントを投稿しよう!