2人が本棚に入れています
本棚に追加
「…分からない…」
「傷の状態、君の性能どちらから見ても普通の家庭出身はありえないよね?
破棄されたとか?」
―破棄―
その単語を聞いた瞬間、アンドロイドは目を見開き、梅園の首に刃物を突き付けた。
「腕がナイフになった!?」
「おー怖い
殺されちゃーう」
フーフーと荒い呼吸を繰り返すアンドロイドに、梅園は全く動じず刃先をずらす。
「多分記憶回路に不都合が発生したんだね
そのせいで思い出せないのかも
これからどうするの?
持ち主が見つからなかったら結局破棄されるよ」
「ね、ねぇ!梅園さん!」
アンドロイドがうつ向いた瞬間、どこか切羽詰まったような声で紗香が梅園に声をかけた。
「そいつ…私が貰っちゃだめ?」
「「……は…?」」
最初のコメントを投稿しよう!