偶然か必然か

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   暗く、湿っぽい路地。  カビや腐敗臭が漂うそこを、1つの影が走っていった。 「いたぞ!!捕まえろ!!」 「っ!!」 「逃がすな!!」  後ろから追い掛けてくる数人の足音を恐れ、影は走る速度をあげた。 「逃がさねぇ!!」 「……っ!?  しまっ…!!」  脇道から飛び出してきた男に、咄嗟の反応が出来なくなる。  そして背後にも足音が迫る。  バンッバンッ  バンッバンッ  耳をつんざくような破裂音を響かせ、影に何発もの銃弾が撃ち込まれた。
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