偶然か必然か

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  「おはよーございまーす」  パタパタと軽い音をたてて走ってきた少女に、店員は笑みを浮かべる。 「おはよう紗香(サヤカ)ちゃん  今日は遅刻しなかったね」 「今日はこれが一発目なんで」 「なるほどね  店長ー、紗香ちゃん来ましたよー」  荷物をロッカーに詰め込み、急いで店の制服に着替える。  開店15分前なのでさほど急がなくてもいいように感じたが、やることも無いのでさっさと準備する。 「よぉ小娘  今日はちゃんと稼げよ」 「はいはい  ったく、実の親よりうるさいな」  見た目大柄で店長と言うか格闘選手のような人物に冗談半分に言うと、紗香は長く伸ばした銀髪を1つに結び、店に出る。 「いらっしゃいませ!  ウサカフェへようこそ!」
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