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ガタン
「ひゃっ!!」
真夜中の公園のベンチに座っていると、不意に聞こえた物音に紗香の体が強張る。
「…な…何…?」
恐る恐る音のした方を見るが、そこには何もない。
ただ地面が何かで黒っぽく濡れているだけだった。
「この臭い…油…?」
「君!!そこで何してるの?
未成年だよね?」
そこに近付こうと足を踏み出した瞬間、懐中電灯の光が紗香を照らした。
「!?ヤバッ」
「こら、待ちなさい!!」
警官に捕まる前に素早く荷物を持って暗い道を走り出す。
慣れたくはないが夜道を走ることは日常茶飯事。
そのため、警官を撒くのも容易かった。
「はぁ…はぁ…
しばらくはあそこに行かない方がいいか」
呼吸を整えながら、ガラの悪い人間が行き交う明るい繁華街を歩いていると、ごみ捨て場に、何かが倒れていることに気が付いた。
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