偶然か必然か

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   それから数十分歩き、一件の家のインターホンを押す。  すると今まで寝ていたらしく寝惚けたような声が聞こえた。 『こんな時間に誰?  夜中の2時ですよー?』 「梅園さん!!私です!!」 『んー…あー…椿ちゃん?  どしたの?』  目が覚めたのか、はっきりとした口調になった相手に、紗香は今までのことを話す。  するとドアが開き、中から20代ほどの男性が出てきた。 「へー、こりゃまた酷い」  アンドロイドを眺めていた梅園が一言そう呟く。 「治りますか?」 「最善は尽くすよ  ……ん?」  梅園は、アンドロイドの腕に付けられたシリアルナンバーを見て、目を丸くした。 「梅園さん?」 「……今出回ってるアンドロイドはMEかMFから始まるんだけど…これは初期型、しかも僅か数台しか作られなかった奴だね」  苦笑しながら呟いた梅園を心配そうな表情で見上げると、梅園はニッと子供っぽく笑った。 「大丈夫  直すよ、絶対に」
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