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不倫した子供だろうが、普通の子供だろうが、わたしは情事を忌み嫌う。
ちょぅっと上乗せされた罪を裁くだけ。楽だよね。
それにすぐに飛び立てれる。
わたしの暗黒に燻る(くすぶる)将来を察した兄は気をとり直して続けた。
「それでさ、お尻がない雄螢ってもてないじゃないか」
「――断罪」
「打ち首は嫌だよ。雄螢って独りだよなぁ」
「――精神病」
「さみしいよなあ……」
兄がにやっ、と笑った。わたしは漢字練習をした。
天才は知らないだろうけど。
人って虐めに快感を感じて、漢字に残酷さを持たせるんだよ。
断罪。
罪を償うんだってさ。
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