涙の体育祭

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暑い暑い夏がやってきた。 そして、6月の下旬に行われる体育祭の準備も着々と進んでいた。 私はパネル係になった。 しかも麻里と一緒。 「吉原先生の前から逃げた事件」から麻里とは全く話してないから、部活でもクラスでもすごく気まずい関係になっていた。 「今日こそ麻里に話しかけよう」って何回も考えてるのに、中々できない。 そして、今に至る。 吉原先生とも気まずくて、あの日から更に話しにくくなって麻里と同じ状態。 授業中もそのことで頭がいっぱいだった。 なんだかんだで5時間目。眠たくなるこの時間。 5限の授業は・・・、数学。しかも・・・担当が吉原先生。 私の席は1番後ろだから、当てられる確率は低いっちゃ低い。 けど、真ん中の列だから目が合って、当てられる確率も高い。 授業開始を知らせるチャイムが鳴り、先生がそれに遅れて入ってくる。 挨拶をすると、早速授業を始める先生。 「今日は前回の続きからやりまーす。ここテスト範囲にもなるからちゃんとノートとってね」と言って板書をし始めた。 相変わらず先生の字は丸っこい。 板書しながらそう思った。
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