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授業も後半に差し掛かろうとしてる頃、私は欠伸が多くなっていた。
下を向かないように意識しているが、なんかよく分からないけど下を向いてしまう。
寝ちゃうかも・・・・・・。
シャーペンが手から滑り落ちた。
夢の世界に連れていかれ・・・る・・・。
「お~い、宮沢さん。次の問題やってもらうよ~」
遠くで先生の声が聞こえた。
「ちょっと由羽!起きてってば!」
ん?どっかで聞いたことのある声・・・。
いたっ!!!
目を開けるとそこには、麻里がいた。
あ・・・、私寝てた・・・。
やってしまった・・・。
「ほんとに由羽は寝るの好きだね(笑)」
あ、麻里怒ってないのかな・・・?
「麻里怒ってないの?」
私は思わず言ってしまった。
麻里はキョトンとした顔で私を見てた。
あれ?私変なこと言ったかな?
「お~い、宮沢さん。この問題やってね~」
がーん。今の私にこの効果音は相応しい。
だって、私の嫌いな内心・外心の問題・・・。
「麻里、これどうやるの?」
やっと麻里に話すことができた。
麻里はまたキョトンとして
「これまだ簡単なほうだよ」と言って苦笑いしていた。
吉原先生は「どう?できた?」とこっちの様子を窺っていた。
2分後、私は黒板に解答を書いていた。
そばで先生が見ている。
間違ってたらどうしようという気持ちだけが、心を支配する。
書き終わると、吉原先生は「よく出来ました。金沢さん、この問題そんなに簡単じゃないんだけどね」と笑っていた。
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