運命

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新春。 桜は見事なほどに満開で心地好い日差しの暖かさが目蓋を重くする。 そんな季節に俺は今約40人の前で一人教壇に立っている。 「え~、今日転校してきた亀井田君だ。受験がこれからという大切な時期だがみんな仲良くしてあげるように。」 教室がざわつく。 その中の声には「ねぇ、超かっこよくない!?」という声もあれば「男かよ・・。」というものもある。 「よし、じゃあ自己紹介してみるか?」 「あ、はい。えと」 俺の名前は亀井田 雨嵐(かめいだ うらん)。 現在高校3年生で、親父の仕事の都合で転校することになった。引っ越し先は、平たく言うと普通の町だ。特別何かあるわけでもなければ、何にも無いってわけでもない。強いて言うなら人っ子一人来そうにない神社がある。 この町にはまだ来て3日しか経ってないが、その神社は早くも俺のお気に入りだ。 で、今日は転校初日目の登校日なのだ。正直ちょっと不安もあるけどやっぱ高校の真髄は青春!転校先に可愛い子がどれだけ多くいるかでモチベーションが変わると言っても過言ではない。 「? どうした亀井田。緊張するか?」 「あ、いえ。大丈夫です。」 俺は軽く咳払いをして黒板に名前を書き込む。 「亀井田雨嵐です。名前に厨二病感を感じますが案外気に入ってます。気軽に雨嵐と呼んでください。よろしく!」
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