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「・・・え? ゆ・・・夢?」
試しに頬を軽くつねってみる。
「いひゃい・・。」
「あんたの事知ってるわ!私の先輩を傷付けておいて、よくも平然なツラしてうちの敷地内に入れたものね!?」
「いや、ちょ、ちょっと待てよ!何の事を言ってんだ?」
「とぼけないでよ!亜美先輩の事を騙したのはあんたでしょ?」
あぁ、ありさの後に付き合った元カノ第2号か。
「でも振ってきたのは向こうだ。大体この神社がお前んちの敷地内だったとしても、神社は公共の場だろ?それともお釈迦様ってのは差別主義者かなんかか?」
「私が単純にあんたみたいに、だらしない男が大嫌いなだけよ。わかったらさっさと消えて。」
女は人差し指で文字通り俺に指差して言い放った。
初対面の俺に対してその言い草はあんまりだろ。やれやれ。
「そりゃ失礼したな。そこまで言うなら帰るよ。でもその前に一つだけ気になったこと聞いていいか?」
「何よ。」
「お前もしかして俺の夢とか見たことある?」
「殺すわよ?」
・・・こりゃ俺の勘違いだな。
「悪かったよ。でもお釈迦様の前で地主が仏さん増やそうとすんのはどうかと思うぞ。じゃあな。」
そう言って神社を後にすると後ろであの女の子がわめいている声が聞こえた。
何だったんだ一体。 亜美の後輩って言ってたが・・・。
まあそのうちまた会うだろ。
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