運命

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柚梨奈の嫌悪なムードを感じていた二人の友人が「ゆ、柚梨奈・・・。なんか邪魔みたいだし私達先に帰ってるね?」と言い残して足早に二人は去って行った。 「ち、ちょっと!」 「あらら、行っちゃったな。修羅場とでも思ったのかな?・・・って否定はできないか。」 「・・・・・。」 だんまりですか。 「名前柚梨奈って言うんだな!よろしく。俺は雨嵐だ。亀井田雨嵐!」 「聞いてない。」 「まあそんな事言わずに覚えてくれよ。部活は入ってないのか?パッと見帰宅中みたいだけど。」 「神社の手伝いをしなきゃいけないから部活なんて出来ないのよ。あんたみたいに暇じゃないの。」 「手伝いか!偉いな。俺も手伝おうか?」 その言葉を聞き今まで背を向けていた柚梨奈は振り返り仏丸を思いきり睨んで言った。 「あんた何か勘違いしてない?私はあんたの事が嫌いなのよ?私は他の女みたいにあんたみたいな男に引っ掛かかったりしない!」 「はは、それは亜美の事か?俺は別に引っ掛けようだなんて思ってないよ。どちらかというと今までの女達が勝手に引っ掛かったんだ。ただ一度引かれたら追っかけるのが俺の性分なんで柚梨奈がそんなに俺に絡まれたくないって言うなら、俺を好きになるしかないな。」 「・・あんたほんっとムカつくわね!私に近寄らないで!」 さすがにこれ以上は火に油かな。しょうがない、名前聞けただけでよしとするかな。 「じゃあ今日はひとまず帰るわ。じゃあな!」 そう言って俺は怒りで震えた柚梨奈の横を通って帰宅した。 別に好きになったとかじゃない。けど何となく思い通りにしてやりたいって、この時はそんな思いを抱いていた。
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