如月陽司

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 ん?  どうした?  ああ、話が見えてこないわけか。仕方ない。簡単に説明しておくことにしよう。  とはいえ、そんなにややこしい話じゃないんだ。  『雨男』っていうだろ? それだよ。  あ!? そういうことか、って納得しかけただろ?  甘いよ。確かにそのとおりではある。  が、そのレベルが桁違いだ。  控えめに言ってもいわゆる神クラスだ。  たまに『雨に好かれてる』とか言うが、俺のは『雨の疫病神に憑かれてる』みたいなものだ。  大きなイベントで晴れた記憶はない。というか、俺の小学校のアルバムは雨だらけ。  遠足のしおりって実行委員とかが作るだろ。  持ち物で雨具が書いてあるのは当然だが、うちの学校のは、別枠で《絶対》のとこに書いてあったな……。  全部、そこに俺が居たからだ。  同級生には悪いことしたが、6年生までは俺のせいだとは思ってなかった。  たまたま俺が風邪でダウンした日の球技大会が快晴だったのを知って、子供心にショックだったのをいまだに覚えてる。
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