如月陽司

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「う……あの……すまん……」 「……? 何で如月さんが謝る……の?」  言うべき事もなく、口をついて出たのは、謝罪の言葉だ。  彼女の疑問も当然。 「いや……、その豪雨なんだけどな……」  で、俺は自分の体質について彼女に話す破目になった。  ……改めて“体質”って言うと、けっこうキツいな……。  まあ、人に話すこと自体初めてだったかもしれない。  大抵は周りが先に騒ぎ出すし、俺を知ってる奴が説明する。  まあ他人のことならいいネタにはなる。自分で話すと自己嫌悪に苛(さいな)まれまくるから助かりはしたけども……。  で、彼女の反応も半信半疑。会社で噂くらいは聞いてたかもしれないが、本当に信じたのは俺と付き合い始めてからだ。  話すにはキツいことを信じてもらうために、馬鹿みたいに必死になって話してた俺に呆れたのか、彼女は帰る頃には僅かだけど笑みを浮かべていた……。  その翌日から、うちの会社の受付に彼女の笑顔が戻った……。
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