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「キャァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
耳をつんざく様な悲鳴が城に響き渡った。
それと同時に竜独特の咆哮。
声の元は最も神聖な部屋、謁見の間からだ。
「巫女様!!大変です!!陛下が……!!」
「わかっている!!
……陛下は今隣国の王子と共にいらっしゃる筈だが…」
バタン
大扉を開けるとそこは地獄の様であった。
辺りには血塗れの大臣や兵士が倒れている。
割られたステンドグラスの側には今にも飛び立たんとする碧の竜。
それの牙には紅く染まった女帝の衣。
一瞬こちらを向いたそれは大きく羽ばたくと空へと消えていった。
「陛下ァァァァァ!!!」
叫ぶ兵士の脇を通り抜け巫女は竜の後を追って飛び降りた。
「インプ!!」
巫女が喚ぶと長い尾の小さな生き物が赤い竜へと姿を変え、彼女を乗せて飛び立った。
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