プロローグ 焔

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空の国、クエレブレ。 巫女は間違いなく竜がこの国へと向かったと確信していた。 あの竜は見間違えようもなく、この国の王子のもう1つの姿であったからだ。 そして今、皇女が婚姻の為に訪れている。 「皇女!!…皇女!!フロー!!」 姪御を呼ぶ彼女の声は、足音と共に異様な程静かな城に響いた。 バタン 「フ…ロー……?」 誰も居ない謁見の間には、見覚えのある花嫁衣装の切れ端が、紅く染まって落ちていた。 「い…やぁ……ああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」 隣国を紅い火の手が覆う姿が、窓に映し出されていた。
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