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真夜中深夜2時。
人々は活動を止め、ふかふかのベッドに身を沈める頃。
人々が無防備に寝息をたてて静寂が広がる時間。
そんな深夜2時。
その部屋にはカリカリという音だけが静かに響いていた。
ふいに
―ガチャ―
という音が混ざり、1人の女が部屋に入ってきた。
A「どうしたんだい?」
B「いや、寝れなくて…君の淹れる珈琲を飲みに来た」
A「珈琲を飲んだらますます寝れなくなるじゃないか」
Bは苦笑しながらAの向かいに座った。
A「最近は完全に昼夜逆転だね。」
B「うん、もう慣れちゃったよ」
Aは黙ったまま静かにコーヒーミルで豆を挽き続けた。
しばらくまたカリカリという音しかしなくなった。
B「君はどうしていつもこの時間に豆を挽いているの?」
急な質問にAは手を止め、しばしの沈黙が流れる。
それから口を開き
A「余計なものが入らないからさ」
Aはまた豆を挽き始めた。
カリカリカリカリ。
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