プロローグ

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きらびやかなイルミネーションに彩られた街とは対照的な、人通りも途絶えた薄暗い倉庫街に何発もの銃声が響き、女性の悲鳴がこだまする。 何人もの足音と男達の怒号。その前を眼鏡をかけたストレートヘアーの20代前半と思しき女性と、幼さが残るツインテールの少女が走っている。 2人の顔は青ざめ、必死に男達から遠ざかろうとしている。 男達の手には皆、黒く光る拳銃が握られている。 「お姉…ちゃん…もう…走れな…い…よ…」 少女の顔には涙が幾重にも流れていた。前を走る姉と呼ばれた女性は繋いだ手を強く握り締め、少女を引っ張るように走り続ける。 「死にたくないなら……走りなさいっ……!!」
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