路地裏の片隅

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 僕の家までの道のりは長かった。一駅分も東へ足を運ばなくてはならない。白い絨毯の上を、僕は子猫と二人で歩いた。  家に帰る途中、空から白い綿が降りてきた。それは、僕の身体に付いては消え、毛を濡らし、僕に震えを与えた。僕の後ろを歩く子猫も震えていた。
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