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そして余っている手でぼくの胸をおもいきり突いてきた。
それはぼくが声すらあげられないほど、華麗にみぞおちへ食い込んできて、もちろんぼくはそこで彼女を支える力を失う。
彼女はぼくの腕からすりぬけていった。
きゃー、とかいう叫びが聞こえたと思うと、ぼくの胸に鋭すぎる痛みが襲う。
それでも事態の結末は見えていた。
彼女の足元には座っていた切株があって、言わずもがな倒れれば危険だった。
けど、ぼくが抱きかかえたのはその切株に彼女の腰が当たるかどうかのタイミングだった。
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