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「ほんとごめん……」
ぼくは普通にすごくあやまっていた。
助けたことに対する罪悪感、なんてふしぎなものが噴出してきて、ぼくは謝るしかなかった。
けど、彼女はこう言ってくれた。
「……まあ、いいよ」
そして、おかしそうに笑った。
「助けようとしてくれたんでしょ?」
「そのとおりではあるけど……ええと」
「いいのいいの、転んだ私が悪いんだから」
そして、ぼくが言葉を返す前に、名前も知らない彼女はこう言った。
満開の笑顔で。
「ありがとう」
中庭に、桜が咲いた。
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