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恥ずかしげもなく言い放たれる言葉に相槌も打たず歩を進める雪成にそれでも拓海は構わず言葉を続けた。
「そ・れ・に〜。女の子に興味ないなんて言っちゃって〜。
雪成くんが女の子大好きなのはもはや公然の事実ってやつですぜ。
なんと言っても剣道無敗の天下の天崎雪成ともあろう方が!無敗を誇っているのは実は男子相手の時だけだって事はみんなが知っている事実!
その事実が物語っているではないか!
雪成が女の子大好きちゃんだという事を!!」
「……母さんとの約束だからな」
天を仰ぎ力説する友人の背中に呟いた雪成の言葉は、拓海の耳にまでは届かなかった。
「ん?何か言ったか?」
頭だけこちらに向ける拓海に「じゃあ、また明日な」と一声だけかけ雪成は少し足早に道場へと歩を進めた。
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